MEDIA業界未経験からCEOへ

CEO SEIJI MATSUDA

MEMBERS STORY

起業のきっかけ

僕はもともと兵庫県三木市でFC店舗を運営する飲食企業に勤めていて、27歳の頃その企業を一旦退職して独立を試みました。
はじめは前職の経験を活かして飲食のフランチャイズチェーンに挑戦したいなと考えたものの、ちょうどコロナが来る直前の頃の話で、飲食チェーンもひとしきりブームが落ち着いていた頃だったので、これは時代の流れに合わないなって感じて別のことをいろいろ試行錯誤していました。

そんな時、プライベートではよく地元のうどん屋さんなどの食べ歩きをしていて、Googleマップの口コミを自分の趣味としてアップしていました。
そんな中でGoogleのクチコミで評価がついてないところでも興味の向くまま回っていたら、実は美味しくてこだわりの詰まっている料理を提供している飲食店さんの魅力が、写真と匿名の個人が評価する文章などの断片的は情報だけでは、本質は伝わっていないことをよく感じていました。

ちょうどその頃、世間のメディアの動向が紙媒体や写真から「動画」に変わる時期だったので、これから動画業界が盛り上がるなって直感がありました。そして、食の動画がほとんどないことにも気づき、これはチャンスだと思って動き始めました。

最初はその直感に従って、自分のチャンネルを立ち上げて夢中で走り続けましたが視聴回数がなかなか伸びず、今振り返るとクオリティも低かったなって思います。
そこで、自分だけでは限界があると感じ、プロから学ぶしかないと思ったんですよね。

当時、YouTubeで有名だった「うどんそばチャンネル」にDMを送ったところ、FC展開で兵庫支部を立ち上げないかと提案をいただきました。これが今の会社の前身ですね。
その事業がありがたい事に軌道に乗り始めて、以前から事業をするなら会社を大きくしたいと考えていたためそこから本格的にメンバーを集めていきました。

仕事に人を当て込まない
その人を仕事にする

FMJのメンバーはみんな前向きで、周りを尊重しながら協力するメンバーが多いと感じています。最近は特に、主体的にいろんなことを進めようとするメンバーが増えてきたと感じています。

実は僕自身、マネジメントがあまり得意ではないんです。細かく具体化して体系化するのが苦手で、直感的に全てを進めてしまうタイプなので教育や組織化もあまり得意ではありません。でも僕にはできない能力を他の役員メンバーや社員が持ち合わせていて、そこをお互いの長所と短所を埋め合わせて日々事業に向き合っているという形ですね。本当に周りのメンバーに恵まれていると実感しています。

僕は一点集中型で、マルチタスクが苦手なので、できないことは頼るしかないと自然に思うようになりました。そうすると、みんなも主体性を持って動いてくれるようになり、いい循環が生まれています。
僕だけじゃなくて社員みんなにも言えることですが、苦手なことを無理にやっても生産性が悪くなりますよね。だからこそ、みんなが得意なことや本気でやりたいことに集中できるような職場作りを意識しています。
僕が大切にしているのは、「仕事の枠に人を当てはめるのではなく、その人自身がそのまま仕事になるような仕事の設計をじっくりと時間をかけて作っていく」ということを人に向き合う心構えとして大切にしています。

食のこれから

FMJはメディアからスタートしましたが、「食」を扱う会社にしたいと考えています。今の食って、テクノロジーによって合理的で機能的になりすぎていると思うんですよ。
食べるだけで健康になったり、栄養が詰まっているみたいな。まるでドラゴンボールの仙豆みたいな感じです。僕は食には体験が伴うものだと思っているので、そういう食にはあまり興味がありません。

どんな空間で食べるか、誰と食べるか、道中が楽しいかどうか、そういう体験を守り、増やしていかなければならないと感じています。FMJは世間の流れとは逆を行っているかもしれませんが、そこに対してチャレンジしていきたいんですよね。

僕はもともと食が大好きでしたが、それは体験価値に強く惹かれていたからです。どこかに遊びに行って、そこで出会った飲食店のご飯が美味しかったという記憶、そういう体験が減ってきているのが残念で、そこを守り、増やし、開発したいと思っています。食の地位をもっと上げていきたいんです。

メディアを通じて伝えられる情報には、見せ方によって付加価値をつけることができると思うんです。そうすることで、食をもっと盛り上げていけるんじゃないかと感じています。
テクノロジーによって機能的になっている食事やチェーン店の合理的な「食」は、本来の「食」の姿じゃ無いと思うので、僕たちはその逆をどんどんやっていってもっと自然な形にしたいと思っています。食の本来の形、食文化の文化的な要素をもっと大事にしていきたいですね。